リスク許容度の決め方と配分例【やさしく深掘りマネー塾#6-3】
📅 この記事は 2026年6月時点の情報をもとにしています(最終更新日に連動)
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どうも、ちちまるです。マネー塾Phase 6-3は「リスク許容度の決め方」。「自分はどこまで含み損に耐えられるか」を、感覚ではなく3つの軸(年齢×家族×収入)で逆算する方法。今日は子育て世代の現実的な配分例も提示します。
- リスク許容度=「含み損に耐えられる限界」。事前明確化が暴落時の売却防止に直結
- 3軸で逆算:①年齢(投資期間)②家族構成(責任の重さ)③収入安定度(給与vs自営)
- 古典ルール「100-年齢=株式比率」は寿命延伸で「110-年齢」「120-年齢」に修正される傾向
結論:リスク許容度を事前に数値化すれば、暴落時に「売る・売らない」で迷わない仕組みになる。
「株式100%でいい?」「もっと安全に債券(=国や大企業にお金を貸して利子を受け取るしくみ。株より値動きが穏やか)を混ぜるべき?」——この答えは人それぞれ違うのが正解。今日は3つの軸からリスク許容度を逆算する方法と、子育て世代の具体例を整理します。
- リスク許容度の定義と重要性
- 3つの逆算軸(年齢・家族・収入)の見方
- 古典ルール「100-年齢」とその現代的修正
- 子育て世代の標準配分(積極・バランス・安定の3パターン)
- リスク許容度を超えた配分の危険性
リスク許容度とは?「含み損の耐性」を数値化する
リスク許容度とは「自分はどこまでの含み損(=買った時より値下がりしているが、まだ売っていない“紙の上だけ”の損。売らなければ確定しない)に耐えられるか」を事前に明確にしたもの。投資金額の何%まで下落しても売却しないでいられるか、という心理的・経済的な耐性です。
あなたは今、ある企業の株を100万円分持っています。仕事の合間にスマホで損益を見ると、価格がみるみる下がっていく——。
- −10万円(−10%):「あれ、ちょっと下がってきたな…」
- −30万円(−30%):「えっ、3割も減った?売ったほうがいいかな…」
- −50万円(−50%):「半分になった。もう耐えられない、全部売りたい」
あなたはどこで「不安で仕事が手につかない」「もう売ってしまいたい」と感じましたか? その分かれ目こそが、あなたのリスク許容度です。下の図と照らし合わせてみましょう。
📊 図の読み方:自分の許容度を3段階で把握。「-10%でも夜眠れない」なら許容度低、「-50%でも淡々と積立継続」なら許容度高。許容度を超える配分は、暴落時のパニック売却に直結します。
💡 プチまとめ:リスク許容度=含み損の耐性。事前に数値化すれば、暴落時の判断ぶれを防げる。
逆算軸1:年齢(投資期間)
最も重要な軸は「年齢=投資期間の長さ」です。長く運用できるほど暴落から回復する時間が確保できるため、許容度を高く取れます。
古典的な目安に「100−年齢=株式比率」があります。たとえば35歳なら100−35=65で株式65%、というざっくりルール。近年は寿命が延び、運用できる年数も延びたぶん、「110−年齢」「120−年齢」と株式を多めにする考え方を示す専門家もいます。
- 30歳:投資期間30年以上→ 暴落しても回復時間十分。許容度高
- 40歳:投資期間20-25年→ まだ余裕。許容度中〜高
- 50歳:投資期間15年程度→ 慎重さ必要。許容度中
- 60歳:投資期間10年程度→ 取り崩し視野。許容度中〜低
金融庁の資料でも、長期・積立・分散で20年保有したケースでは元本割れが見られなかったことが示されています。米国の代表指数S&P500(米国を代表する約500社の株をまとめた指数)の過去実績でも15年以上の保有でマイナスに終わった期間は少なめでした(起点しだいで例外はあり、あくまで過去の実績で将来を保証するものではありません)。年齢が若いほど長期投資の優位性を活かせます。
💡 プチまとめ:年齢が若い=投資期間が長い=許容度を高く取れる。30-40代の子育て世代は許容度中〜高の範囲。
💡 年齢×許容度で決まった配分を、年代帯ごとの具体的な株・債券・現金比率で見たい方は、年代別ポートフォリオ組み方ロードマップ(3パターン)もあわせてどうぞ。
逆算軸2:家族構成(責任の重さ)
次の軸は「家族構成=守るべき責任」です。同じ40歳でも、独身と子供3人では負える許容度が全く違います。
⚠️ 家族構成別のリスク許容度調整
- 独身:自分だけ。許容度を最も高く取れる
- 夫婦・子なし:パートナーの理解が必須。許容度はやや慎重に
- 子1人:教育費負担あり。許容度を1段階下げる
- 子2人以上:教育費+将来不安。許容度を2段階下げる傾向
※「1段階下げる」は上の図の“高→中”、「2段階下げる」は“高→低”に1つ・2つずらすイメージです。
我が家(夫婦+子2人)の場合、「子の教育費が必要な時期に暴落していたら売却しなければならない」リスクを織り込んで、株式100%ではなく現金部分も意識的に確保しています。詳細は生活防衛資金記事参照。
💡 プチまとめ:家族構成は許容度を大きく左右。子の人数・教育時期を考慮して、独身時代より慎重な配分が王道。
逆算軸3:収入安定度(給与vs自営)
3つ目の軸は「収入の安定度」です。給与所得者は失業リスクが相対的に低く、許容度を高く取れます。
- 公務員・大企業正社員:収入安定度高。許容度を高めに
- 中小企業会社員:標準。許容度は中
- 自営業・フリーランス:収入変動大。許容度はやや低めに
- 共働き:1人失業しても他方の収入あり。許容度UP
- 片働き:1人の収入に依存。許容度はやや慎重に
我が家は片働き(妻が専業主婦)のため、共働き世帯より許容度はやや低めに設計。「メイン収入が途絶えた時に何ヶ月持つか」を逆算して、現金部分を多めに確保しています。
💡 プチまとめ:収入が安定しているほど許容度を高く取れる。自営・フリー・片働きは慎重に。
子育て世代の標準配分3パターン
3軸(年齢・家族・収入)を踏まえた標準配分例を提示します。資産配分(アセアロ)の記事と整合する設計です。
| パターン | こんな人 | 株式 | 債券 | 現金 |
|---|---|---|---|---|
| 積極型 | 20-30代・共働き・子なしor1人 | 90% | 0% | 10% |
| バランス型 | 30-40代・標準的な子育て世代 | 70% | 20% | 10% |
| 安定型 | 40-50代・片働き・子2人以上 | 50% | 30% | 20% |
※生活防衛資金(生活費の半年〜1年分)はこの配分とは別途確保するのが鉄則。我が家は約240万円を分けて管理。
参考までに、私たちの年金を運用するGPIF(国の年金運用機関)も、国内外の株式と債券を組み合わせたバランス配分(株式比率は約50%)を採用しています。プロの長期運用でも「分散」が基本、というわけです。
「自分はどこに当てはまるか」を3軸で判定し、最も慎重な軸に合わせるのが安全策です。例えば40歳・片働き・子2人なら「安定型」が出発点。30代でも片働き・子2人で不安が大きいなら、安定型から始めて慣れたらバランス型へ移行してもOKです(年代はあくまで目安)。
💡 プチまとめ:標準配分は3パターン。自分の3軸(年齢・家族・収入)で当てはまる中で、最も慎重なパターンから始める。
リスク許容度を超えた配分の危険性
「もっと儲けたい」と許容度を超えた配分にすると、暴落時に必ずパニック売却します。これが投資失敗の最大原因です。
🚫 許容度を超えた配分の典型パターン
- 40歳・子2人・片働きが株式100%:教育費発生タイミングで暴落=売却強要のリスク
- 独身20代が現金80%:機会損失(=投資していれば増えたはずのお金を、現金のまま取り逃すこと)。長期で見ると数百万円損する可能性
- 50歳が高配当個別株50%:一社だけの株(個別株)は倒産すると価値がゼロになりうる。老後資金を失うリスク
「自分の許容度に合った配分=最も儲かる配分」とは限らないが、「継続できる配分」=長期で勝つ配分。
合言葉は「儲けようとせず、続けようとする」。許容度に合った地味な配分が、結局は長期リターン最大化につながります。
💡 プチまとめ:許容度オーバーの配分は必ず暴落時に破綻。長期で続けられる配分こそが最強。
💡 自分の3軸から「続けられる配分」が見えてきたら、次はその比率を実際に積み立てる器を用意する番。NISA口座を開設して配分を実行に移す手順をまとめたので、決めたばかりの配分が冷めないうちにのぞいてみてください。
まとめ:3軸で逆算→続けられる配分を設計
📝 この記事の要点
- リスク許容度=含み損に耐えられる限界を数値化したもの
- 3つの逆算軸:①年齢②家族構成③収入安定度
- 古典ルール「100-年齢」は寿命延伸で「110-年齢」「120-年齢」に修正される傾向
- 子育て世代の標準配分:積極(90:0:10)/ バランス(70:20:10)/ 安定(50:30:20)
- 許容度オーバーの配分は暴落時のパニック売却に直結→「続けられる配分」を選ぶ
結論:儲けようとせず、続けようとする。許容度に合った配分が長期では最も儲かる。

マネー塾Phase 6-3でした。次回(#6-4)は「投資の出口戦略|取り崩し方・4%ルール」。「貯めた資産をどう使うか」が意外と難しいテーマ。トリニティ研究の4%ルールを日本向けにアレンジして解説します。
- 資産形成の基本:金融庁「資産形成の基本」
- 家計の金融行動:金融経済教育推進機構(J-FLEC)「家計の金融行動に関する世論調査」
- GPIFの資産配分:GPIF「基本ポートフォリオ」
- 金融商品取引法:金融庁「NISA特設ウェブサイト」